「科学のミカタ」・エッセイ風の科学トピックス案内
すてきな本屋さんをうろうろ楽しんで、さてどれを連れて帰ろうかと物色していた時に見つけたのがこの本です。
「AI、ゲノム、重力波ー知れば知るほど面白い、知らなきゃやばい 科学の世界の読み解き方、教えます。」
と書いてあった帯に惹かれて手に取った次第。
興味を引かれる理系の話題を広く扱った、やわらかく読みやすい一冊でした。
毎日新聞社で科学記者としてのキャリアを持つ著者、元村有希子さんが、科学技術、環境問題に関する話題を「とりとめもなく(「はじめに」より)」綴ったのがこの本です。
理系の話題って、いつも興味はあるんですけど、何かで耳にしてなんとなく知っていても、なかなか突っ込んで調べるところにまでいきません。
もっと知ったらとてつもなく面白いだろうに。とかねがね思っていました。
地磁気、宇宙、ダークマター、重力波、オートファジー、ABC予想、温暖化、プラスチックごみ、ゲノム編集、ロボット、地震、燃料電池車、がん、再生医療・・・
と、この本で扱われる話題は多岐にわたり、どれもどこかで聞いたことのあるキーワードや内容のもの。それが、ひとつの話題について短めに、平易な文章で、わかりやすく紹介されています。
ところどころやや突っ込んだ情報も読めるのは科学記者さんの書いたものならではかな。
ウイットとユーモアを散りばめた明るいエッセイ風の文章に、大きめの文字と余裕のあるレイアウトで、楽しんで読める一冊です。
ソフトカバーで厚さや手に持った感じもカジュアルなちょうどいいサイズの本に思えました。
「本職」の書いたものなので、内容には信頼性があり、また噛み砕かれているので、繰り返しになりますが「わかりやすい」本です。
これって聞いたことはあったけどそういうことだったのか、と嬉しくなること度々でした。
あくまで、話題紹介、読み物、と言った趣ですので、各トピックについて詳しいところまでしっかり説明、といった内容ではありません。
「解説書」というより「案内書」だと感じました。
また、科学に関わる「ひと」の姿が浮かび上がってくる本でもありました。
いろんな人が、いろんなことに興味を持ち、いろんなことを「わかろう」としているんだなあ、一生懸命。
と感じると同時に、科学者って、そんなふうに一生懸命な、愛すべきひとたちなんだなあ、という印象も抱きました。
自分の専門分野について、どの方もキラキラした目で語ってらっしゃいそうだ。
そしてとても気になったのが「Mr.トルネード」藤田哲也さん。
どこかでお名前は聞いたことがあったけど、すぐ買うわ、本。
著者の元村有希子さんは、テレビなどにもご出演、「理系思考」「気になる科学」などのご著書がある、知られた方なのですね。テレビをあまり見ないので、存じ上げず失礼しました(笑)。
本文中で紹介されている「ガタカ」という映画はけっこう好きな作品です。ファンも多いようですね。
スタイリッシュムービーとどこかで紹介されていましたが、確かにそうだな。
1997年の、近未来SF映画です。
生まれてくる子供にあらかじめ遺伝子操作が行われ、「適格者」として誕生することが望まれる社会を舞台にしたものです。社会的なテーマでありつつ、ドキドキハラハラやちょっとした感動なども随所に散りばめられている、印象の強い作品。(“ジェローム”がかっこいい・・・♪)
よかったなー。
と、こう書いているうちに、うーん、また観たくなってきましたね・・・。
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